災害事例⑤

【災害事例5】
 携帯用グラインダで鋼管パイプを切断中、研削といしが破裂し負傷

【発生状況】

この災害は、鋼製パイプを携帯用グラインダで切断する作業中に発生したものです。

災害発生当日、作業者Aは、数百本の鋼製パイプ(長さ10cm、直径7cm、厚さ1.8mm)を切断するため、携帯用グラインダの試運転を約1分間行ったうえで、高さ90cmの作業台に固定したパイプの切断作業を開始した。

作業を開始して約2時間後、パイプの切断途中でといし(外径10cm、厚さ2mm)がパイプの切断面に挟まったので、Aはグラインダの動力を切り、といしの停止を確認した後、といしを切断面から抜き取り、といしの外観を目視で異常のないことを確認した。さらに、Aがグラインダを無負荷状態で回転させ異常のないことを確認した後、パイプの切断時にグラインダの覆いがパイプに接触するのを避けるため、覆いの側板の無い方を自分の方へ向けた状態で作業を行うとした。

この状態で再びといしの切断面に接触させたとき、といしが破裂して破片が顔面に向かって飛来し、使用していたプラスチック製の保護面を破損した。Aは保護面の破片で負傷した。

【詳細状況】

グラインダの回転数と切断といしの最高使用周速度は適切であり、といし覆いも研削盤構造規格に適合していた。切断面にといしが挟まった際、といしの側面に負荷が加わり、といしに小さな亀裂が生じていたため、無負荷状態での回転では破裂しなかったものの、パイプに接触した衝撃でといしが破裂したものである。この日、Aは災害発生時までに、摩耗により3枚のといしの取替を行っていたほか、切断中にといしが切断面に挟まるトラブルが7~8回発生していた。

また、Aは、上下長袖作業服を着用し、保護面、防塵マスク及び保護手袋を使用していた。

【原因】

この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。

1.といしがパイプの切断面に挟まって生じた亀裂によりといしが破裂し飛散した。切断中のパイプにといしが挟まった際、といしの側面に負荷が加わって、といしに微小な亀裂が発生し、再びといしを回転し切断面に接触させたことで亀裂が急激に成長し、といしが破裂した。さらに、切断中の携帯式グラインダーの向きが不適切であったためといし覆いの側板部のない方が作業者に向いており、破裂したといしの破片が顔面方向に飛散した。

2.保護面の強度が不足しており、飛散したといしの破片で破損したこと。Aは保護面を使用していたため、破裂したといしの破片の直撃を避けることができたものの、破損した保護面により負傷した。

【対策】

同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要です。

1.といしの破裂によるけがをなくすため、切断機を用いてパイプの切断を行う。携帯用グラインダーの作業では、切断中にといしに側面からの負荷などが加わることが多く、といしに亀裂が生じて破裂に至る危険性をなくすことができない。携帯式グラインダに変えて切断機(高速カッター)を使用してパイプの切断を行うようにする。また、切断機は、加工物に対して機械的に支持された切断方向のみ可能な切断といしの送り機構とする。なお、切断機の使用は、安全性に加えて、直径の大きなといしを使用することによりといし取替頻度が少なくなり作業性が大きくなる効果も期待できる。

2.強度の高い保護面を使用させること飛来したといし破片からの保護を確実にするため、より衝撃強度の高い材質の保護面を作業者に使用させる。

 

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