【第1章】第7節 職長等及び安全衛生責任者の役割 1

第7節 職長等及び安全衛生責任者の役割①

(1)職長等の概念

職長等とは、「職長その他作業中の労働者を直接指導又は監督する者」と労働安全衛生法第60条で規定しています。この職長等の名称は、「作業員を直接指導又は指揮監督する立場にあって、知識、技能、管理能力、経験等に優れた工事現場における第一線の監督者」で、労働災害防止にとって重要な役割を担う、グループリーダーの総称です。企業によっては、職長を班長、リーダー、工事長、監督員等の名称で呼んでいるところもあります。どのような名称であっても、「作業中の労働者を直接指導又は監督する者」は、労働安全衛生法が規定する職長となります。


(2)職長等の役割

職長等には、次の役割が期待されています。

① 作業員を直接指導・監督する立場にあること
職長等は、知識、技能、管理能力、経験等を通じて、作業員を直接指導・指揮監督する立場にある第一線の監督者です。

② 安全衛生・品質・コスト・工期・環境に関してその目標や基準を示し、指導・監督・管理する立場にあります。


職長等は、事業者からのノルマである「安全衛生の確保」と「生産性向上」という二つの職務を遂行していく立場です。生産性が高くても安全衛生管理が疎かでは、一人前の職長等とはいえません。ひとたび労働災害が発生すれば、尊い命を失わせたり、また大きな経営損失を招いてしまうことになります。


法律・政令・省令

職長等には、「人間(人命)尊重」と「生産性向上」について正しいリスクマネジメントが要求されます。リスクマネジメントを簡単に言うと、企業経営において損失を生じうるリスク(労働災害等)を把握し、その影響を事前に回避もしくは事後に軽減化する対策を講じる管理手法のことです。


「仕事は早いけど危なっかしい」

「良い仕事してくれるけど怪我が多い」

このような職長等は二流、三流と言わざるを得ません。


職長・安全衛生責任者教育カリキュラム


職長・安全衛生責任者教育は以下のカリキュラムで実施されます。一般的にはこの教育科目を職長等及び安全衛生責任者が実施する職務等と解釈しています。

※安全衛生規則第40条職長等教育内容に安全衛生責任者教育科目を加えたもの


職長・安全衛生責任者教育カリキュラム

職長等教育には、中央労働災害防止協会が実施するRST方式と、建設業労働災害防止協会が実施する新CFT方式があります。これは講師養成講座の形式ですが、古い職長等教育修了証には「RST方式による職長等教育修了証」と記載されていたものが多く存在していました。

※RST方式には当初「安全衛生責任者の職務等」は含まれていませんでしたので安全衛生責任者教育を別途受講する必要がありました。


(3)安全衛生責任者の役割

安全衛生責任者の役割は、統括安全衛生管理体制の中で統括安全衛生責任者との安全衛生に関する連絡調整役として法的に定められています。

労働安全衛生規則第19条 安全衛生責任者の職務

一 統括安全衛生責任者との連絡

二 統括安全衛生責任者から連絡を受けた事項の関係者への連絡

三 前号の統括安全衛生責任者からの連絡に係る事項のうち当該請負人に係るものの実施についての管理

四 当該請負人がその労働者の作業の実施に関し計画を作成する場合における当該計画と特定元方事業者が作成する法第30条第一項第五号の計画との整合性の確保を図るための統括安全衛生責任者との調整

五 当該請負人の労働者の行う作業及び当該労働者以外の者の行う作業によつて生ずる法第15条第一項の労働災害に係る危険の有無の確認

六 当該請負人がその仕事の一部を他の請負人に請け負わせている場合における当該他の請負人の安全衛生責任者との作業間の連絡及び調整


統括安全衛生管理体制は、統括安全衛生責任者と全ての請負事業者の安全衛生責任者間で連絡調整を義務付けていますが、二次以降の請負業者との請負関係や実務上の関わり合いを考慮すると、特に一次請負事業者の安全衛生責任者の役割が重要と考えられます。

例えば、一次の安全衛生責任者不在下での二次以降の請負事業者単独作業は好ましくはありません。安全衛生責任者は「常駐」と言われる理由のひとつと考えられます。

法律・政令・省令

国土交通省は重層下請けの解消を指導していますが、安全衛生責任者の常駐義務の面からも妥当と思われます。


 

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