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【第1章】第6節 安全衛生施工サイクルによる安全衛生活動 3

第6節 安全衛生施工サイクルによる安全衛生活動③

1.統括安全衛生管理

14 関係請負人が実施する事項

1) 過度の重層請負の改善

関係請負人は、労働災害を防止するための事業者責任を遂行することのできない単純労働の労務提供のみを行う事業者等にその仕事の一部を請け負わせないこと。また、仕事の全部を一括して請け負わせないこと。


2) 請負契約における労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者の明確化

関係請負人は、その仕事の一部を別の請負人に請け合わせる場合には、請負契約において労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者を明確にすること。


3) 関係請負人及びその労働者に係る事項等の通知

a 名称等の通知

関係請負人は、元方事業者に対し、請負契約の成立後速やかにその名称、請負内容、安全衛生責任者の氏名、安全衛生推進者の選任の有無及びその氏名を通知すること。

b 労働者数等の通知

関係請負人は、元方事業者に対し、毎作業日の作業を開始する前までに仕事に従事する労働者の数を通知すること。

また、関係請負人は、その雇用する労働者の安全衛生に係る免許・資格の取得及び特別教育、職長教育の受講の有無を把握するとともに、元方事業者に対し、新たに作業に従事することとなった労働者について、これらの事項をその者が当該建設現場で作業に従事する前までに通知すること。

c 持込機械設備の通知

関係請負人は、元方事業者に対し、建設現場に持ち込む建設機械等の機械設備について事前に通知すること。


4) 作業手順書の作成

関係請負人は、労働災害防止に配慮した作業手順書を作成すること。


5) 協議組織への参加

関係請負人は、安全衛生責任者又はこれに準ずる者を協議組織の会議に毎回参加させること。

また、関係請負人は、混在作業に伴う労働災害防止上重要な工程に着手する時期、その他労働災害を防止する上で必要な時期に開催される協議組織の会議に店社の職員を参加させること。


6) 協議結果の周知

関係請負人は、協議組織の会議の結果で重要な事項をその労働者に周知すること。


7) 作業間の連絡及び調整事項の実施の管理

関係請負人は、安全衛生責任者又はこれに準ずる者に、統括安全衛生責任者又はこれに準ずる者等から連絡を受けた事項の関係者への連絡、及び連絡を受けた事項のうち自らに関係するものの実施についての管理を確実に行わせること。


8) 新規入場者教育の実施

関係請負人は、その雇用する労働者が建設現場で新たに作業に従事することとなった場合には、当該作業従事前に当該建設現場の特性を踏まえて、次の事項を職長等から周知するとともに、元方事業者にその結果を報告すること。

[1] 元方事業者及び関係請負人の労働者が混在して作業を行う場所の状況

[2] 労働者に危険を生ずる箇所の状況(危険有害箇所と立入禁止区域)

[3] 混在作業場所において行われる作業相互の関係

[4] 避難の方法

[5] 指揮命令系統

[6] 担当する作業内容と労働災害防止対策

[7] 安全衛生に関する規程

[8] 建設現場の安全衛生管理の基本方針、目標、その他基本的な労働災害防止対策を定めた計画


9) 作業開始前の安全衛生打合せの実施

関係請負人は、毎日、作業開始前にその雇用する労働者を集め、次の事項について安全衛生打合せを実施すること。

[1] 当日の作業内容、作業手順、労働災害防止上の留意事項等についての関係労働者への指示

[2] 作業間の連絡調整の結果の周知

[3] 関係労働者の労働災害の防止に対する意見等の把握

[4] 危険予知活動等の安全活動


10) 職長会(リーダー会)の設置

関係請負人は、職長及び労働者の安全衛生意識の高揚、職長間の連絡の緊密化、労働者からの安全衛生情報の掌握等を図るため、職長会(リーダー会)を設置すること。


(3)安全施工サイクル活動

建設現場における労働災害は、施工と安全を一体化した安全衛生活動が定着化していないことも重要な発生原因のひとつとなっています。これに対し、安全施工サイクル活動は建設現場における安全衛生活動をサイクルとして実施することを体質化、習慣化することにより、安全衛生を確保することを目的としています。


(4)活動の効果

安全施工サイクルを定着することにより、次のような効果が期待されます。

① 元請指導型から協力業者自主活動へ

「ヤレ」の安全衛生管理から全員参加の「ヤロウ」の安全衛生管理へ

② 施工と安全の一体化

作業効率と安全衛生管理を一体化した安全衛生活動の展開

③ 安全衛生活動の習慣化

安全衛生管理能力の向上、均一化

④ 先取りの安全確保

リスクアセスメントの習慣化

⑤ 職長中心の全員参加の安全衛生活動の展開

職長会を積極的に組織化、各職長の相互啓発による自主管理の促進


(5)安全施工サイクル活動の具体的実施方法

安全施工サイクルは、毎日のサイクル、毎週のサイクル、毎月のサイクル、随時のサイクルに分かれ、それぞれ、次のような活動を実施します。


毎月のサイクル
  • 1.毎日の実施事項
  • ①安全朝礼、体操
  • ②安全ミーティング
  • ③作業開始前点検、KYK
  • ④作業所長巡視
  • ⑤作業中の指導・監督
  • ⑥安全工程打ち合わせ
  • ⑦持場後片付け
  • ⑧終業時の確認・報告
  • 2.毎週の実施事項
  • ①週間安全工程打合せ
  • ②週間点検
  • ③週間一斉片付け
  • 3.毎月の実施事項
  • ①災害防止協議会の開催
  • ②定期点検、自主点検
  • ③災害事例等による安全衛生教育
  • 4.随時行う活動
  • ①入場予定業者との事前打合せ
  • ②新規入場時教育
  • ③持込機械の届出
  • ④安全衛生大会
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  • ※元請け事業者ごとにルールがあります

 

職長安全衛生責任者の毎日の施工サイクル一例

 

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