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【第3章】第4節 送気マスク②

7 プレッシャデマンド形エアラインマスク

(1)構造(図3-9)

図3-9 プレッシャデマンド形エアラインマスク

前述のデマンド形に加え、面体内が常に陽圧になる機能を持つプレッシャデマンド弁を備えたもので、外気が侵入する可能性が低く、安全性が高いマスクです。


(2)取扱の留意事項

一定流量形、デマンド形と同様です。


8 複合式エアラインマスク

図3-10 複合式エアラインマスク

複合式エアラインマスクは、通常はエアラインマスクとして使用し、避難脱出等に際しては高圧空気容器に切り替えて使用できるものです(図3-10)。


9 送気マスクの取扱

(1)送気マスクの種類と用途

送気マスクは7種類に分類されます。安全に作業するためには、それぞれの特徴を理解し、適切なものを選択する必要があります。有効な状態で使えるように日頃の保守点検も重要です(図3-11)。


図3-11 送気マスクの種類

送気マスクは、基本は一般に全面形を使用し、危険性の低い場所では、半面形面体が使用されています。

フードまたはフェイスシールドは顔面に密着しないため、防護性能が面体形に比べて低く、空気が途絶したような場合には瞬時に防護性能が失われることから、酸素濃度が14%未満あるいは不明の場所では使用できません。

酸素濃度が14%以上の場所であっても、フードまたはフェイスシールド形を使用する場合は、十分な防護係数を得るために空気供給を多めに調節する必要があります。


(2)給気源

エアラインマスクの給気源として給油式エアコンプレッサーを使う場合は、圧縮空気中に混入したオイルミスト等を除去するため、ミストセパレーター等のろ過装置を設けます。オイルミストは、ろ過装置を劣化させるほか、ろ過装置に活性炭が使われている場合、過熱圧縮空気によって自然発火することがあるので注意が必要です。また、活性炭は可燃物であり加熱されると発火する危険があるので、高温の場所に置いてはいけません。

使用中に油臭を感じたら、ろ過装置の点検整備を行います。この他、運転中にオイルミストが発生しないように十分な点検整備を行います。


(3)一酸化炭素

コンプレッサーは故障により一酸化炭素を発生することがあるので、一酸化炭素検知警報装置を設置することが望ましいとされています。


(4)空気取入口

空気取入口は、酸素欠乏空気、有害ガス、悪臭、粉じん等の侵入するおそれのない場所に設置します。


(5)ホース

ホースは、車両や重量物等で圧迫されたり給気が途絶するおそれがない場所に配置します。


(6)監視

作業中は専任の監視人を指名します。選任に当たっては作業者と電源からホースまで十分に監視できる人員とし、監視分担を明確にします。


(7)電源

送風機の電源スイッチまたは電源コンセント等電気を供給している設備には「送気マスク使用中」等の明瞭な標識を掲げておきます。


(8)合図

作業は合図者を指名し、一定の合図を定めて行います。また、合図の方法は作業者、監視人等に周知します。


(9)気密テスト

マスクを装着したら、面体の気密テストを行うとともに、送風量等再確認を行います。


(10)送気量

マスクまたはフード内は陽圧になるように送気します(空気調節袋が常にふくらんでいること等を目安にする)。


(11)脱出

作業中に送気量の減少、ガス臭、油臭、水分の流入、送気の温度上昇等異常を感じたら、直ちに退避して点検します。

脱出について、経路・所要時間・通知方法等をあらかじめ定めておきます。


10 「送気マスクの適正な使用等について」の概要

(平成25年10月29日基安化発1029第1号 厚生労働省通達)


(1)送気マスクの防護性能(防護係数)に応じた適切な選択

使用する送気マスクの防護係数が作業場の濃度倍率(有害物質の濃度と許容濃度等のばく露限界値との比)と比べ、十分大きなものであることを確認する。


(2)面体等に供給する空気量の確保

作業に応じて呼吸しやすい空気供給量に調節することに加え、十分な防護性能を得るために、空気供給量を多めに調節する。


(3)ホースの閉塞等への対処

十分な強度を持つホースを選択すること。ホースの監視者(流量の確認、ホースの折れ曲がりを監視するとともに、ホースの引き回しの介助を行う者)を配置する。給気が停止した際の警報装置の設置、面体を持つ送気マスクでは、個人用警報装置付きのエアラインマスクを、空気源に異常が生じた際、自動的に空気源が切り替わる緊急時給気切替装置に接続したエアラインマスクの使用が望ましい。


(4)作業時間の管理および巡視

長時間の連続作業を行わないよう、連続作業時間に上限を定め、適宜休憩時間を設ける。


(5)緊急時の連絡方法の確保

長時間の連続作業を単独で行う場合には、異常が発生した時に救助を求めるブザーや連絡用のトランシーバー等の連絡方法を備える。


(6)送気マスクの使用方法に関する教育の実施

雇い入れ時または配置転換時に、送気マスクの正しい装着方法および顔面への密着性の確認方法(フィットテスト)について、作業者に教育を行う。


11 点検(表3-6)

送気マスクは、使用前に必ず作業主任者が始業点検を行って異常のないことを確認してから使用します。また1ヶ月に1回以上の定期点検・整備を行って常に正しく使用できる状態に保つこととなっています。


表3-6 送気マスクの点検項目

 

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