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【第3章】第4節 送気マスク①

1 送気マスクの種類

空気呼吸器及び酸素呼吸器の長所は、行動範囲に制約を受けずに作業が可能となりますが、重量があり有効使用時間が短いという短所があります(表3-5)。


表3-5 送気マスクの種類

送気マスクは、行動範囲は限られますが、軽くて使用時間に制限がありません。

送気マスクには,自然の大気を給気源とするホースマスクと、圧縮空気を給気源とするエアライン(AL)マスクがあり、JIST 8153で構造及び性能が定められています。


2 電動送風機ホースマスク

(1)構造(図3-5)

図 3-5 電動送風形ホースマスク

電動送風機を新鮮な空気のある場所に設置し、そこからホース、面体等で送気する構造で、風量を調節するための流量調節装置を備えています。

電動送風機形ホースマスクは、面体を使用している場合、停電で送風機が停止しても着用者の自己肺力によって呼吸できる肺力吸引形として機能する構造となっています。


(2)取扱いの留意事項

① 危険性の高い場所での使用は、送風機が停止した場合に、安全な場所へ退避するまでの安全を確保するため、面体を使用したものとします。

② 送風機は、酸素欠乏空気、有害ガス、悪臭、粉じん等がない場所に設置します。

③ 電動送風機は長時間運転すると、フイルターの汚れにより通気抵抗が上昇し、送気量の減少やモーターの過熱が起こることがあるので、定期的に点検し必要に応じて交換します。

④ 電動送風機の使用中は、誤って停止されないように電源開閉器及びコードのプラグに「送気マスク使用中」の表示をします。

⑤ 2本以上のホースを同時に接続して使える電動送風機で1本だけ使用するときは、使用していない接続口にはキャップを取り付けます。

⑥ 回転数が変えられる形式の電動送風機では、ホースの本数と長さに応じて適切な回転数に調節して使用します。

⑦ 電動送風機は、一般に防爆構造ではないので、可燃性ガスの濃度が爆発下 限界を超えるおそれのある場所では使用できません。



3 手動送風機形ホースマスク

(1)構造(図3-6)

図 3-6手動形送風機マスク

手動送風機を新鮮な空気のあるところに設置し、ホース、面体等を通じて送気する構造で、中間に送気を調節するための流量調節装置(または空気調節袋)を備えていいます。電源の得られない場所や緊急の場合使用可能です。


(2)取扱いの留意事項

手動送風機を回す作業は相当に疲れるので、長時間連続使用する場合には2名以上で交代しながら行います。


4 肺力吸引形ホースマスク

(1)構造(図3-7)

図3-7 肺力吸引形ホースマスク

ホースの末端の空気取入口を新鮮な空気のある場所に設置し、ホース、面体を通じ、着用者の肺力によって吸気させる構造です。


(2)取扱の留意事項

① 着用者自身の肺の力で吸気するため、ホースの長さは10m以下とします。

② 呼吸に伴ってホース、面体内が陰圧となるので、接続部、呼気弁等から漏れがないことを使用前に確認します。

③ 空気取入口には、目の粗い金網のフイルターしか入っていないので、酸素欠乏空気、有害ガス、悪臭、粉じん等を除去する効果はありません。そのため空気取入口は、有害な空気を吸入しないような場所に設置します。


5 一定流量形エアラインマスク

(1)構造(図3-8)

図3-8 一定流量形エアラインマスク

圧縮空気配管、空気圧縮機(エアコンプレッサー)または大型の高圧空気容器(空気ボンべ)からの圧縮空気を中圧ホース、面体等を通じて着用者に送気する構造で、中間に送風量調節のための流量調節装置と圧縮空気中の粉じん、 油ミスト等をろ過する装置を備えています。


(2)取扱の留意事項

① 着用者の呼吸に関係なく一定量の空気を面体に送り込む方式なので、送風量が十分であれば余剰な空気は面体と顔面等のすき間から外へ流出するため防護性能を維持することができます。

② 一定量の空気が常時流れているため、眼・鼻・口・喉等の渇きを感じることがあります。

③ 一定流量形エアラインマスクで、吸気管がねじれる等により閉塞すると圧力が吸気管にかかり、破裂することがあります。


6 デマンド形エアラインマスク

(1)構造

着用者が吸気したときだけ空気が供給される機能をもつデマンド弁を備えたマスクです。


(2)取扱の留意事項

着用者が吸気した場合、面体内が環境圧力に対して陰圧になるため、面体と顔面を密着させる必要があります。


 

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