【第1章】第2節 足場の材料、構造及び組立図⑦
8 足場の組立て、解体等作業の注意事項
(1)作業計画を定める時に行うリスクアセスメントの考え方
①作業計画を立てる時に、想定される作業手順をもとに、本質的な墜落災害防止対策を検討し、資材等の変更や、各種安全性の高い工法を選択します。
②出来る限り墜落制止用器具を使用しなくても墜落しない手順を考慮します。
③リスクアセスメントの結果を作業手順書に落とし込んでいきます。
④出来上がった作業手順書を作業主任者等は部下に周知、共有を図ります。
⑤墜落制止用器具は、「念のため」あるいは「最終手段」として使用します。
⑥「とりあえず墜落制止用器具を使用」という考え方は持ってはいけません。
⑦墜落制止用器具は役に立つ状況で使用します。
⑧墜落制止用器具を使用しても効果がない場合は使用方法に工夫をするか、防網を張るなどの墜落災害防止設備を設けます。
9 足場の組立て作業手順書
(1)作業手順書は基本的に体の動きを動詞で表現します。
「○○する」「○○を取り付ける」「○○を外す」という具合です。
大原則として作業手順書は一次協力会社が、会社の責任で作成します。そのうえで、作業手順書を元請けに確認してもらい、OKが出ればそれを配布します。二次あるいは三次協力会社等は一次協力会社が作成した作業手順書を基本に活用します。
枠組足場1段目の組立作業手順の例
| 手順 | 要点(安全、成否、やりやすさ)についての補足 |
|---|---|
| ①整地する | ・足場足元が水平になるように ・(沈下の恐れがあれば)転圧してから |
| ②敷板を並べる | ・躯体外壁面と敷板の内幅で200㎜程度に ・建わくの幅に合わせて |
| ③ジャッキベースを置く | ・1,800㎜見当の間隔で ・最初の高さ〇〇㎝に合わせてから |
| ④建わくを立てる | ・ジャッキベースに差し込んで |
| ⑤交差筋かいを取り付ける | ・一人が建わくを押さえて ・左右に |
| ⑥建わくを立てる | |
| ⑦交差筋かいを取り付ける | ・④と⑥の建わくを繋ぐように ・二人でバランスよく |
| ⑧ ⑥~⑦繰り返し⑥まで | |
| ⑨建枠の通りをなおす | ・躯体外壁面と平行に ・敷板の中央にジャッキベースが来るように |
| ⑩建わくの高さを合わせる | ・レベルを使い、ジャッキハンドルを回して |
| ⑪根がらみパイプ取り付け | ・桁方向を先に ・躯体外壁面と建わくの離れは○○㎝で |
| ⑫ジャッキベースを釘止め | ・1本に2か所ずつ |
| ⑬手すり枠を取り付ける | ・固定方法を確認して |
| ⑭床付き布枠を取り付ける | ・フックに指を挟まないように |
※手順が前後する場合があるかもしれません
足場の組立て等作業に関する使用部材名称
| 足場の組立等作業 | 足場の組立て、変更、解体作業の総称 |
| 建わく | 鋼管パイプを鳥居状に溶接した構造部材 |
| 交さ筋かい(ブレース) | 荷重による座屈を防ぐためのX状の補強材 |
| 床付き布枠(アンチ) | 作業床のついた布枠 |
| 布枠 | 水平方向につなぐ枠状の部材 |
| 下さん | わく組み足場用の墜落防止用水平部材 |
| ○○さん(桟) | 墜落防止用水平部材(最上段なら手すり) |
| 手すりわく | 手すりと交さ筋かいが一体となった墜落防止用部材 |
| 建地 | 足場の垂直方向の主要部材 |
| 作業床 | 作業を行うためのスペース |
| 単管足場 | 鋼管パイプと緊結金具を組み合わせて設ける足場 |
| 単管パイプ | JIS規格の鋼管パイプ |
| 緊結金具(クランプ) | 鋼管をつなぐ金物、90度固定と360度自在がある |
| 単管ジョイント | 鋼管パイプをつなぐ金物 |
| 手すり | 上段に取り付ける墜落防止用水平部材 |
| 中さん | 2段目に取り付ける墜落防止用水平部材 |
| 幅木(150㎜) | 作業床上に設ける墜落防止用の横長部材 |
| 幅木(100㎜) | 作業床上に設ける落下物防止用の横長部材 |
| 根がらみパイプ | 足場の建地を水平に固定する桁(長手)方向の布材 |
| 布パイプ | 水平方向を繋ぐ桁(長手)方向の布材(パイプ) 足元に取り付けると「根がらみパイプ」 |
| 梁間(方向) | 前踏みと後踏みの間 |
| 筋かい | 座屈防止用の補強材 |
| 大筋かい | 1構造面全体に設ける座屈防止用補強材 |
| 火打ちパイプ | コーナー部分をゆがみ防止のために補強する部材 |
| 緊結部 | クサビ式足場の固定用接続部 |
| 安全ネット | 墜落防止用ネット(防網) |
| 垂直ネット | 落下防止用ネット(メッシュシート等) |
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