足場点検表を持って、実際に現場を見てみる
足場の組立て等特別教育のテキスト巻末には、 足場の「自主点検表」や 「足場等の種類別点検チェックリスト」を掲載しています。
点検表には多くの項目がありますが、 実際に足場を見るときには、 単に「良・否」を記入するだけでなく、 その項目について、足場のどこを、どのように見るのか を理解しておくことが大切です。
ここでは、協会テキストに掲載している点検表を見ながら、 実際の足場を点検するときの考え方を確認してみます。
まず、足場点検表を見てみる
協会テキストの巻末には、 わく組足場をはじめ、足場の種類に応じて使用できる 点検チェックリストを掲載しています。
このチェックリストを見ると、 例えば次のような項目が並んでいます。
| 項目 | 点検事項 |
|---|---|
| 1 | 床材の損傷、取付け及び掛渡しの状態 |
| 2 | 建地、布、腕木等の緊結部、接続部及び取付部のゆるみの状態 |
| 3 | 緊結材及び緊結金具の損傷及び腐食の状態 |
| 4 | 墜落防止設備の取り外し及び脱落の有無 |
| 5 | 幅木等の取付状態及び取り外しの有無 |
| 6 | 脚部の沈下及び滑動の状態 |
| 7 | 筋かい、控え、壁つなぎ等の補強材の取付状態及び取り外しの有無 |
| 8 | 建地、布及び腕木の損傷の有無 |
| 9 | 突りょうとつり索との取付部の状態及びつり装置の歯止めの機能 |
例えば「床材の状態」と書かれていても、
実際には何を見ればよいのでしょうか。
次に、点検項目を実際の足場の状態に置き換えてみます。
「点検事項」を「実際に見ること」に置き換える
協会テキストには、 点検チェックリストとは別に 「点検の内容例」も掲載しています。
これは、点検事項について 実際にどのような状態を確認するのかを 具体的にしたものです。
例えば、同じ「床材」の点検でも、 一つだけを見ればよいわけではありません。
| 点検事項 | 実際に見てみること |
|---|---|
| 床材 | 取付状態は計画どおりか、変形・損傷はないか、 つかみ金具の外れ止めが確実にロックされているか、 床材と建わくとの間に大きな隙間がないか |
| 建地・布・腕木等 | 取付状態は計画どおりか、 ジョイントや接続部が確実に接続されているか、 取付部にゆるみがないか |
| 緊結材・緊結金具 | クランプ等に損傷や腐食がないか、 ジョイントやアームロック等に異常がないか |
| 墜落防止設備 | 交さ筋かい、下さん、幅木、手すりわく等が 計画どおり取り付けられているか、 脱落していないか |
| 幅木等 | 幅木、メッシュシート、防網等の取付状態は適切か、 取り外されていないか、確実に緊結されているか |
| 脚部 | ベース金具、根がらみ、敷板、敷角等の設置状態、 沈下や滑動がないか |
| 筋かい・控え・壁つなぎ等 | 取付状態は計画どおりか、 取り外されていないか、 専用の金具が使われているか、 確実に緊結されているか |
このように、 チェックリストの項目を 「現場のどこを、どのような状態まで確認するのか」 に置き換えると、 点検表が単なる記入用紙ではなくなります。
例えば「手すりがある」だけで終わらせない
墜落防止設備を点検するときに、 「手すりが付いているから問題なし」 と判断してしまうことはないでしょうか。
協会テキストの「足場点検のポイント」では、 手すりや中さん等の墜落防止設備について、 取り外しや脱落の有無だけでなく、 取り付け状態が適切であるかまで入念に点検する こととしています。
「付いている」ことと、 「適切な状態で取り付けられている」ことは同じではありません。
点検するタイミングによって、見る内容が違う
足場の点検は、 いつでも同じ内容を確認するものではありません。
その日の作業開始前には、 作業を行う箇所に設けられた 足場用墜落防止設備の取り外しや脱落の有無を確認します。
一方、 強風、大雨、大雪等の悪天候、 中震以上の地震、 足場の組立て、一部解体、変更の後には、 作業開始前に、床材、緊結部、緊結金具、 墜落防止設備、幅木、脚部、補強材など、 定められた事項を点検します。
| 点検する場面 | 確認すること |
|---|---|
| その日の作業開始前 | 作業箇所に設けた足場用墜落防止設備の 取り外し・脱落の有無を確認する |
| 悪天候・中震以上の地震の後 | 足場に異常が生じていないか、 法令で定められた事項を点検する |
| 組立て・一部解体・変更の後 | 作業を開始する前に、 足場について定められた事項を点検する |
労働安全衛生規則では、
事業者が点検者を指名して
必要な点検を行わせることとされています。
このページは、点検表に書かれている内容を
実際の足場と結び付けて理解するためのものです。
「×を付けた」で終わらせない
点検で異常を見つけた場合は、 点検表に記入して終わりではありません。
異常を認めた場合には、 必要な補修などを行います。
また、協会テキストの「足場点検のポイント」では、 点検結果について、 足場のどの場所に問題があったのかが分かるように記載すること、 是正内容についても、 是正箇所・是正方法・是正した期日を明らかにすること としています。
協会テキストでは、 是正後の確認についても、 点検者だけでなく、 管理者、事業者またはそれに代わる者も行うこととしています。
では、実際に点検表を持って見てみる
点検表を開いたら、 一度にすべてを覚えようとする必要はありません。
まず一つの項目を選び、 実際の足場のどこにあるのかを探し、 点検内容例と照らし合わせてみます。
| 確認してみること | 確認 |
|---|---|
| 点検表に書かれている部材が、 実際の足場のどの部分なのか分かる | □ |
| 「ある・ない」だけでなく、 取り付け状態まで確認している | □ |
| 損傷、腐食、ゆるみ、沈下など、 点検項目ごとの確認内容を見ている | □ |
| 今回の点検を行う理由と、 必要な点検内容を確認している | □ |
| 異常を見つけた場合、 場所と内容が分かるように記録している | □ |
| 必要な補修・是正を行い、 その後の状態まで確認している | □ |
点検表を 「記入するための表」から 「実際の足場を見るための道具」へ 変えてみると、 講習で学んだ部材や構造についても、 現場で確認しやすくなります。
講習テキストでも確認できます
当協会の「足場の組立て等特別教育」テキストには、 今回使用した点検チェックリストのほか、 足場ごとの点検内容例や 点検を行う際のポイントを掲載しています。
法令そのものについては、 厚生労働省の「労働安全衛生規則」でも確認できます。
受講者様のご希望に合わせ、以下のタイプの講習会もご用意しています
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