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作業別の多言語教材を朝礼で使ってみる

厚生労働省には、 建設業に従事する外国人労働者向けの 多言語教材があります。

教材はたくさん用意されていますが、 毎回すべてを見る必要はありません。

厚生労働省のページでは、 従事する業務や作業内容に合わせて、 それぞれ選択して使用できる とされています。

そこで、 「今日の作業に関係するところを選んで使う」 という活用方法を考えてみます。

例えば朝礼や作業前のミーティングで、 その日に行う作業に合った教材を一つ選び、 写真や動画を見ながら 現場の注意点と結びつけて確認する方法です。

ここでは、 厚生労働省の 「建設業に従事する外国人労働者向け教材」を 日々の作業前確認へどう活用できるか 見てみます。

このページで紹介する「朝礼での使い方」は活用例です

厚生労働省が朝礼の実施手順として 定めているものではありません。
また、雇入れ時等の教育や特別教育など、 法令上必要な教育の代わりになるものでもありません。

厚生労働省の教材は「作業別」に選べる

厚生労働省の教材は、 一つの長い教材になっているわけではありません。

言語ごとに、 共通事項と7つの業務に分かれ、 さらに7つの業務について それぞれ5つの作業別教材が用意されています。

動画とPDFテキストが掲載されており、 従事する業務や作業内容に合わせて 選択して使用できます。

今日の業務は何か?
↓
今日の作業は何か?
↓
本人が理解しやすい言語を選ぶ
↓
該当する動画・テキストを確認

どんな業務の教材がある?

現在公開されている教材では、 次の7つの業務に分けられています。

番号 業務
1 型枠施工業務
2 左官業務及び内装仕上げ業務
3 コンクリート圧送業務
4 トンネル推進工業務、建設機械施工及び土工業務
5 屋根ふき業務
6 電気通信業務
7 鉄筋施工業務及び鉄筋継手業務

さらに、 各業務の中が 5つの具体的な作業等に分かれています。

例えば、 型枠施工業務には、 脚立・可搬式作業台、 電動器具の取扱い、 墜落防止措置(足場等)、 墜落防止装置(開口部等) などの教材があります。

電気通信業務には、 脚立・可搬式作業台、 電動工具の取り扱い、 高所での作業・重機での作業、 高所作業車、 酸素欠乏・一酸化炭素中毒の防止 があります。

鉄筋施工業務及び鉄筋継手業務には、 現場作業全般、 可搬式作業台・高所作業、 クレーン・玉掛け・揚重作業、 ガス圧接継手・機械式継手作業、 工場作業 があります。

共通事項だけでも使える

7つの業務とは別に、 共通事項として 次の4つの教材が用意されています。

共通事項 活用する場面の例
建設現場全般 新しく現場へ入るときや、 基本的な注意事項を確認するとき
メンタルヘルス対策 心身の状態や 相談について確認するとき
熱中症対策 暑熱環境で作業する前など
電離放射線障害防止対策 関係する作業を行う場合

例えば、 暑い時期には その日の作業内容とは別に 「熱中症対策」を確認する、 という使い方も考えられます。

使える言語を最初に確認する

教材は現在、 日本語を含む 11言語で公開されています。

・日本語
・英語
・インドネシア語
・中国語
・ベトナム語
・フィリピノ語(タガログ語)
・モンゴル語
・タイ語
・カンボジア語(クメール語)
・ネパール語
・ミャンマー語

使用する教材は、 国籍だけから決めるのではなく、 本人が内容を理解しやすい言語を確認 して選びます。

国籍だけで使用言語を決めない

日本語の理解度なども含め、 本人に確認して 内容を理解しやすい教材を選びます。

例えば「今日は脚立を使う」なら

ここからは、 当協会で考えた 一つの活用例です。

例えば、 今日の作業で 脚立や可搬式作業台を使うとします。

今日の作業
脚立・可搬式作業台を使用
↓
関係する業務を確認
↓
「脚立・可搬式作業台」の教材を選ぶ
↓
本人が理解しやすい言語で確認

教材を確認したあとは、 実際に今日使う脚立や 作業場所を見ながら確認してみます。

教材で確認 現場で確認する例
脚立・可搬式作業台の使い方 今日使用するものを確認する
設置時の注意 実際の設置場所や周囲を見る
墜落・転落の危険 今日の作業位置で確認する
作業時の注意 本人に注意するところを示してもらう

こうすると、 一般的な教材の内容を 「今日、自分が行う作業」 へつなげることができます。

朝礼では「今日の一つ」を選んで確認する

朝礼や作業前の短い確認では、 すべての教材を順番に見るのではなく、 その日の作業から 特に確認しておきたい内容を選ぶ 方法もあります。

今日の作業
高所作業+電動工具+資材搬入
↓
今日、特に確認する内容を選ぶ
↓
例:高所作業について確認

翌日は電動工具、 その次は別の作業、 というように、 実際の工程に合わせて 繰り返し確認することもできます。

朝礼での確認は「必要な教育を省略するため」ではありません。

すでに行った教育を、 今日の作業と結びつけて思い出すための活用 として使います。

動画を見る前に「今日はここを見る」と伝える

動画をただ再生すると、 何に注目して見ればよいのか 分かりにくい場合があります。

そこで、 一つの活用方法として、 見る前に 今日確認したいポイント を伝えておきます。

見る前
「今日はここを確認します」
↓
動画・テキストを見る
↓
見た後に現場で確認

例えば、 「今日は高所作業なので、 どこから落ちる可能性があるか確認します」 と伝えてから教材を見る。

その後、 実際の作業場所で 「この現場ではどこが該当するか」 を確認します。

PDFは「指差しながら確認」にも使える

厚生労働省の教材には、 動画だけでなく PDFのテキストも用意されています。

作業前の短い確認では、 必要なページを開き、 写真や図を見ながら確認する 方法も考えられます。

必要な教育
動画・テキスト等も活用
↓
日々の確認
必要なページ・図をもう一度見る

一度教育した内容を 繰り返し確認するための資料 として活用できます。

教材と現場が違うところを確認する

厚生労働省の教材は、 建設業のさまざまな現場で 活用できる内容になっています。

一方で、 実際の作業場所や その日の作業手順、 立入禁止区域などは 現場ごとに異なります。

教材で確認 現場で追加して確認
作業に共通する危険 今日の現場ではどこにその危険があるか
作業方法 今日の手順・役割分担
保護措置 この現場で使用する設備・保護具
注意事項 立入禁止区域、通路、合図、退避場所等

教材だけで 現場固有の説明まで済ませるのではなく、 教材の内容と実際の現場を結びつけて確認 します。

「見ました」で終わらず、理解度を確認する

厚生労働省の手引きでは、 外国人労働者への安全衛生教育について、 理解度を確認しながら、 継続的に教育を繰り返すことが望ましい とされています。

そこで、 教材を見たあとに 簡単な確認を一つ入れてみます。

教材を確認したあと 理解を確認する例
高所作業 今日、墜落の危険がある場所を 示してもらう
電動工具 使用前に確認する部分を 実物で示してもらう
重機作業 入ってはいけない場所を 示してもらう
保護具 本人に装着してもらう

十分に理解できていなければ、 もう一度、 写真や現場を見ながら説明します。

教材を見ること自体が目的ではありません。

教材で確認した内容を、 今日の現場で必要な行動へつなげる ことが目的です。

現場で使う日本語や合図もセットにする

多言語教材で内容を理解できても、 実際の現場では 日本語の指示や合図が使われる場合があります。

厚生労働省も、 労働災害防止のための指示等を理解できるよう、 必要な日本語や基本的な合図等を 習得させるよう努める ことを示しています。

そこで、 その日の作業で特に必要になる 日本語や合図についても 一緒に確認します。

多言語教材で内容を理解
+
今日使う日本語・合図を確認
↓
実際の作業で使える状態へ

例えば、 停止や退避を指示する言葉、 共同作業で使用する基本的な合図などです。

▶ 外国人への教育は「翻訳」すれば十分?

朝礼で使うなら、こんな流れにできる

一つの活用例として、 次のような流れにすると 日々の確認へ取り入れやすくなります。

① 今日の作業を確認
↓
② 関係する教材を選ぶ
↓
③ 本人が理解しやすい言語で確認
↓
④ 今日の現場へ置き換える
↓
⑤ 本人の理解度を確認
↓
⑥ 今日使う合図・ルールを確認

これは法令で決められた 「朝礼の手順」ではありません。

厚生労働省の多言語教材を、 日々の作業へ結びつけて使うための一つの活用例 です。

朝礼前に確認してみる

確認してみること 確認
今日の作業内容を確認した □
今日の作業に関係する多言語教材を選んだ □
本人が理解しやすい言語を確認した □
今日特に確認するポイントを決めた □
教材の内容を実際の現場へ置き換えて確認した □
本人に危険箇所を示す、 実演してもらうなどして理解度を確認した □
今日必要な日本語や合図も確認した □
必要な法定教育を この確認だけで済ませていないことを確認した □

多言語教材は、 「外国人作業者だけが見る別の教材」 にしなくてもかまいません。

今日の作業を確認し、 日本人作業者と外国人作業者が 同じ作業、同じ危険について、 それぞれ理解できる方法で確認する。

そのための材料として使えば、 公的な多言語教材を 日々の現場へ取り入れやすくなります。

厚生労働省の教材を実際に見てみる

厚生労働省のページでは、 言語ごとに 共通事項と7つの業務、 各業務の5つの作業別教材が掲載されています。

それぞれ 動画とPDFテキストが用意されています。

▶ 建設業に従事する外国人労働者向け教材を見る

外国人労働者向けの 安全衛生教育用教材や 多言語資料全般については、 厚生労働省の次のページから確認できます。

▶ 厚生労働省「外国人労働者の安全衛生管理」を見る


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