【第1章】第6節 安全衛生施工サイクルによる安全衛生活動 1

第6節 安全衛生施工サイクルによる安全衛生活動①

1.統括安全衛生管理

一般的に建設工事では元請業者、下請業者、再下請負業者等請負契約関係にあるいわゆる重層化された事業者が、同一の場所において、相関連して作業を行います。そのため、それぞれの事業者に雇用されている作業員が同一の場所において作業を行うことにより生ずる労働災害を防止するため、それぞれの事業者が行う管理とは別に、その現場全体を統括的に管理する必要が生じます。

このように、複数の事業者の作業員が同一の場所で混在して作業することによって生ずる労働災害を防止するために実施される、一連の合理的、組織的な安全衛生管理が統括管理です。


(1)誰が統括管理を行うのか(統括管理の義務を負う者)

統括管理を行う者は、法令上は元方事業者、特定元方事業者、仕事を自ら行う注文者となっています。建設現場での直接の責任者は、一般的に各現場で施工管理の責任と権限を有している作業所長又はこれに代わる人です。また、これらの義務は工事規模の大小や現場作業員数に関係なく果たさなければなりません。

一定規模以上の建設現場における関係請負人は職長・安全衛生責任者を選任して、元請との連絡調整等の仕事を行わせなければなりません。

(同一現場における元方事業者、関係請負人の労働者の数及び工事の種類によって安全衛生管理体制は異なってきます。)


混在作業「現場」

(2)特定元方事業者(作業所長)、職長(安全衛生責任者)の実施すべき主な事項

作業所の規模に関係なく、特定元方事業者が実施すべき安全衛生管理項目及び職長(安全衛生責任者)が実施すべき事項との関連は以下の通りです。


 

特定元方事業者(統括安全衛生責任者)が実施すべき事項
元方事業者による建設現場安全管理指針 平成7年4月21日 基発第267号の2


第1 趣旨

本指針は、建設現場等において元方事業者が実施することが望ましい安全管理の具体的手法を示すことにより、建設現場の安全管理水準の向上を促進し、建設業における労働災害の防止を図るためのものである。なお、建設現場の安全管理は、元方事業者及び関係請負人が一体となって進めることによりその水準の一層の向上が期待できることから、本指針においては、元方事業者が実施する安全管理の手法とともに、これに対応して関係請負人が実施することが望ましい事項も併せて示している。(一部のみ記載)


第2 建設現場における安全管理

1 安全衛生管理計画の作成

元方事業者は、建設現場における安全衛生管理の基本方針、安全衛生の目標、労働災害防止対策の重点事項等を内容とする安全衛生管理計画を作成すること。

なお、この場合において、元方事業者が共同企業体である場合には、共同企業体のすべての構成事業者からなる委員会等で審査する等により連携して、これを作成すること。


2 過度の重層請負の改善

元方事業者は、作業間の連絡調整が適切に行われにくいこと、元方事業者による関係請負人の安全衛生指導が適切に行われにくいこと、後次の関係請負人において労働災害を防止するための経費が確保されにくくなること等の、労働災害防止問題を生じやすい過度の重層請負の改善を図るため、次の事項を遵守するとともに、関係請負人に対しても当該事項の遵守について指導すること。

[1]労働災害を防止するための事業者責任を遂行することのできない単純労働の労務提供のみを行う事業者等にその仕事の一部を請け負わせないこと。

[2]仕事の全部を一括して請け負わせないこと。


3 請負契約における労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者の明確化等

元方事業者は、請負人に示す見積条件に労働災害防止に関する事項を明示する等により、労働災害の防止に係る措置の範囲を明確にするとともに、請負契約において労働災害防止対策の実施者及びそれに要する経費の負担者を明確にすること。

また、元方事業者は、労働災害の防止に要する経費のうち請負人が負担する経費(施工上必要な経費と切り離し難いものを除き、労働災害防止対策を講ずるためのみに要する経費)については、請負契約書に添付する請負代金内訳書等に当該経費を明示すること。

さらに、元方事業者は、関係請負人に対しても、これについて指導すること。

なお、請負契約書、請負代金内訳書等において実施者、経費の負担者等を明示する労働災害防止対策の例には、次のようなものがある。


請負契約において実施者及び経費の負担者を明示する労働災害防止対策

[1]労働者の墜落防止のための防網の設置

[2]物体の飛来・落下による災害を防止するための防網の設置

[3]安全帯の取付け設備の設置(※安全帯:平成30年2月より墜落制止用器具)

[4]車両系建設機械を用いて作業を行う場合の接触防止のための誘導員の配置

[5]関係請負人の店社に配置された安全衛生推進者等が実施する作業場所の巡視等

[6]元方事業者が主催する安全大会等への参加

[7]安全のための講習会等への参加


請負代金内訳書に明示する経費

[1]関係請負人に、上記[4]の誘導員を配置させる場合の費用

[2]関係請負人の店社に配置された安全衛生推進者等が作業場所の巡視等の現場管理を実施するための費用

[3]元方事業者が主催する安全大会等に関係請負人が労働者を参加させるための費用

[4]元方事業者が開催する関係請負人の労働者等の安全のための講習会等に関係請負人が労働者を参加させる場合の講習会参加費等の費用


4 元方事業者による関係請負人及びその労働者の把握等

元方事業者は、関係請負人に対する安全衛生指導を適切に行うため、関係請負人に対し、請負契約の成立後速やかにその名称、請負内容、安全衛生責任者の氏名、安全衛生推進者の選任の有無及びその氏名を通知させ、これを把握しておくこと。


元方事業者は、関係請負人に対し、毎作業日の作業を開始する前までに仕事に従事する労働者の数を通知させ、これを把握しておくこと。

また、元方事業者は、関係請負人に対し、その雇用する労働者の安全衛生に係る免許・資格の取得及び特別教育、職長教育の受講の有無等を把握するよう指導するとともに、新たに作業に従事することとなった関係請負人の労働者について、その者が当該建設現場で作業に従事する前までにこれらの事項を通知させ、これを把握しておくこと。


元方事業者は、関係請負人が仕事を行う日の当該関係請負人の安全衛生責任者又はこれに準ずる者の駐在状況を朝礼時、作業間の連絡及び調整時等の機会に把握しておくこと。


元方事業者は、関係請負人に対し、関係請負人が建設現場に持ち込む建設機械等の機械設備について事前に通知させ、これを把握しておくとともに、定期自主検査、作業開始前点検等を徹底させること。


 

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