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11-1 安全施工サイクル

(1)安全施工サイクルとは

建設現場において、一定の期間(毎日・毎週・毎月)ごとに実施すべき安全衛生管理上必要な事項を決め、継続的に行う活動を「安全施工サイクル活動(又は単に「安全施工サイクル」)」と呼んでいます。

(2)安全施工サイクルの目的

安全施工サイクルは、現場の作業工程に安全衛生管理を組み入れて、「施工と安全衛生の一体化」の推進を図ることにより、安全衛生を確保しつつ一定の品質で、早く、安く工事を完成することを目的としています。

①施工の中に安全衛生を組み込み、「施工と安全衛生の一体化」を図る

②関係請負人の自主的・積極的な安全衛生活動を促す

③安全衛生活動を習慣化する

④安全衛生の先取りのための創意工夫をする

⑤職種間の協力関係の円滑化及び責任の明確化を図る



11-2 毎日の安全施工サイクル

11-2-1 毎日の安全施工サイクルの内容

一般的な毎日の安全施工サイクルである、朝礼から始まり、作業終了時の確認・報告までの例を以下に示します。

①安全朝礼

②安全ミーティング(KY活動の実施)

③作業開始前点検

④安全巡視

⑤作業中の指導・監督

⑥安全工程打合せと作業安全指示

⑦持ち場の後片付け

⑧終業時の確認・報告

⑨元方事業者への報告

⑩安全通勤

安全施行サイクルの例

11-2-2 安全朝礼

安全朝礼は、当日の朝から工事現場に従事する、元方事業者及び関係請負人の全ての者が集合して、一定の場所・時刻で行なう全体朝礼です。

各関係請負人の職長が輪番で進行役となり、進めていくのが一般的です。


(1)安全朝礼の目的・内容

安全朝礼には、次のような目的があります。

①当日の作業内容、行事、危険箇所および立入禁止箇所などの指示・連絡

②参加者全員の安全施工への意識の高揚を図る

③作業開始前の体操で身体を早く作業に適応させ、併せて健康チェックをする

④毎日定時・一斉に作業を開始することにより、作業能率の向上や作業所の一体感の醸成を図るとともに、近隣住民に好印象を与え、建設工事のイメージアップと理解促進につなげる


(2)実施手順

以下は安全朝礼の一般的な実施手順例です。

安全朝礼の実施手順フロー

11-2-3 安全ミーティング

(1)安全ミーティングの目的

安全ミーティングは、それぞれの関係請負人に分かれて行う打合せです。当日の作業を安全かつ計画通りに進めることを目的として行います。


(2)実施手順

安全朝礼後、その場又は作業場所に同一作業グループの作業者が集まり行います。

職長が中心となり、作業者にその日の作業内容、作業方法及び手順、人員配置、安全上の注意事項などを、前日の作業間連絡調整の結果も踏まえて指示します。その後、全員で危険予知(KY)活動を行い、当日(又は該当作業)のチーム行動目標を決めます。

安全ミーティング実施のフロー(流れ)

11-2-4 危険予知活動

(1)危険予知活動とは

建設現場の小集団単位で、当日の作業の中に潜む危険有害要因を洗い出し、その対策について全員が意見を出し合ってチームの行動目標を決めていく活動を「危険予知活動」、あるいは頭文字をとって「KY活動」又は単に「KY」といいます。


(2)危険予知活動の目的・効果

①危険への感受性を鋭くする
毎日、大事なところで繰り返し行うことによって、危険なことを「危ない」と感じる感覚や、危険への感受性を鋭くする。

②安全作業への集中力を高める
危険が潜む作業の大事なところで、指差呼称(指差唱和ともいわれている)「○○○○○ヨシ!」をすることによって、集中力を高める。

③作業者自身が気づき、ヤル気が強まる。
「どんな危険が潜んでいるか」といった危険有害性に対するホンネの話し合いの中で、危険を危険と自分自身が気づくことにより、実践への意欲を養い、問題解決能力を高める。


(3)危険予知活動の進め方

各種の危険予知活動がありますが、中でも「基礎4ラウンド法」がKY活動の基本となる手法です。

①基礎4ラウンド法
 KY活動の基本形をなす手法であり、作業の状況の中に「どんな危険が潜んでいるか」をテーマに4つの段階(ラウンド)を経て実施する。

危険予知レポート 危険予知レポート

【参考動画】

 「危険予知活動(KY)シリーズ」

  中小建設業特別教育協会HP又はYouTube(「KYシリーズ」で検索)


②短時間KY

イ.一人KY
作業者が自分の持ち場の作業を対象に一人で行う危険予知活動であり、作業開始前に、一人ひとりが自分の持ち場で、当日の自分の作業に潜んでいる危険について考えて一つに絞り込み、それに対処するための行動目標を決める。最後に自分で決めた行動目標を指差呼称する。

ロ.指示KY
作業指示メモをメンバーに手渡して、「5W1H」で作業の指示を行う。

ハ.現地KY
朝礼後の作業開始前、昼休み後の作業再開前などに、全員で作業する現場を見ながら2ラウンド(基礎4ラウンド法の第2ラウンドと第4ラウンド)で行う。


(4)現地KYの進め方

① 少人数グループレベルのKY活動

イ.グループのKY活動に追加し、始業時、作業開始時、作業場所・作業内容変更時など、その場その時の危険有害性に対応するために、リーダーを中心に少人数グループで行う。

ロ.基礎4ラウンド法から「危険のポイント」「行動目標」の2ラウンドと、機械設備点検およびワンポイント唱和で、ごく短時間に終えて、KYの中身についての話し合いを進める。

現地KYの進め方 危険予知活動記録

②一人レベルのKY活動

イ.持ち場につくと終日一人作業になる場合もあり、作業行動による災害を防ぐための手段として、作業者一人ひとりが現地KYを行う習慣を身に付けることが望ましい。

ロ.一人KYは、「持ち場の設備点検」から「危険のポイント」、「行動目標」の2ラウンドを行い、最後、作業の安全対策を「行動目標」としてワンポイント唱和して、短時間で終えるものである。

自問自答カードの例

11-2-5 作業開始前の安全衛生点検

安全ミーティング終了後作業開始前に、その日に使用する機械・設備・工具や作業環境を点検し、問題が無いことを確認してから作業を開始します。

11-2-6 現場巡視

安全施工サイクルでの現場巡視とは、混在作業による労働災害を防止するため元方事業者に義務付けられているものであり、最低一日に一回、作業所長又はこれに代わるものによって行われます。

【労働安全衛生法】

第三十条 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。

三 作業場所を巡視すること。


【労働安全衛生規則】

(作業場所の巡視)

第六百三十七条 特定元方事業者は、法第三十条第一項第三号の規定による巡視については、毎作業日に少なくとも一回、これを行なわなければならない。

2 関係請負人は、前項の規定により特定元方事業者が行なう巡視を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。

関係請負人は、元方事業者による巡視に協力し、混在作業による労働災害の防止に努めなければなりません。

【労働安全衛生法】

(元方事業者の講ずべき措置等)

第二十九条 元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行なわなければならない。

2 元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行なわなければならない。

3 前項の指示を受けた関係請負人又はその労働者は、当該指示に従わなければならない。

また、安衛法第29条では、関係請負人の法令違反についても元方事業者が是正のための指導をするよう規定されています。これに基づく指示があれば、従わなければなりません。

 

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