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【第3章】第2節 空気呼吸器①

1 構造

空気呼吸器は、空気が充填されたボンベを携行し、その空気によって呼吸する方式であり、性能はJIS T 8155で定められており、デマンド形とブレッシャデマンド型の2種類があります。両者の面体内圧力変化と環境圧力の関係は図4-1に示す通りです。

また、空気呼吸器は通話装置付きマスク、拡声装置や被災者救助用の補助マスクを備えたものがあります。


① デマンド形空気呼吸器

デマンド形空気呼吸器は、着用者の吸気に合わせて空気が供給され、吸気を停止した時及び呼気の時(面体内が外気と同圧又は陽圧のとき)には供給を停止する機能を備えています。


② プレッシャデマンド形空気呼吸器

プレッシャデマンド形はデマンド形に加えて、面体内の圧力を常に外気より陽圧にする機能を備えており、面体と顔の間に多少のすき間ができた場合にも、有害な外気の浸入を防ぐことができます。現在は、安全性の高いプレッシャデマンド形が多く使用されています。

プレッシャデマンド形呼吸器の構造は、ボンベからの高圧空気を減圧弁で中圧(4.5~0.7Mpa)に減圧し、さらにプレッシャデマンド形弁で呼吸できる圧力に減圧します。ボンベの最高充てん圧力は29.4MPaと14.7MPaの2種類があります。


図3-2 面体内圧力変化と環境圧力の関係

2 使用時間

空気呼吸器の使用時間は、使用者の労働強度によって異なります。そのため有効使用時間の配分に十分な注意が必要です(表3-3)。 なお、有効使用時間は次式により計算します。

数式

T:使用時間(分)

P1:使用開始時の高圧空気容器内ゲージ圧(MPa)

P2:使用終了時に圧力容器内に残しておくべきゲージ圧(MPa)

V:高圧空気容器内容量(L)

Q:毎分当たり呼吸量(L/分)

表3-3各種労作時の酸素消費量(68kg成人男子)

3 装着前の点検

(1)外観

変形、きず、ひび割れ及びボンベの接続部等を点検します。


(2)ボンベ圧力

ボンベ内圧力は、そくし弁の圧力指示計で点検します。そくし弁に圧力指示計がない場合は、呼吸器の圧力指示計で点検します。

なお、圧力の値は最高充てん圧力の80%以上とします。


(3)高圧・中圧部

ボンベのそくし弁を開き、高圧・中圧部に空気を供給し、ボンベのそく止弁を閉じます。その後、約1分問圧力指示計の指針の変化を観察し、指度が低下しないことを確認します。

1MPa以上低下する場合には接続部のOリングの損傷、異物の噛み込み等のおそれがあり、各接続部を再点検します。点検後も圧力低下が改善されない場合は、使用せずに専門のメーカーに点検修理を依頼します。


(4)警報機

バイパス弁を少し開き、徐々に圧力を下げ、設定された圧力(約3〜6MPa)で警報が作動することを確認します。作動停止後、さらにバイパス弁を開き、残圧を抜いた後、バイパス弁を閉じます。点検終了後は、ボンベのそく止弁が閉じていることを確認します。


(5)プレッシャデマンド形(面体)

そく止弁を開いた後、面体を顔に密着させ吸気します。このとき、自動的にプレッシャデマンド弁が作動し空気が供給されます。面体の頰の部分に指を入れ、空気が面体の外に向かって漏れることを確認します。面体の取外しは、陽圧ロックボタンを押し顔から放します。


4 装着の手順

装着の手順


空気呼吸器を左手から(圧力指示計、警報器のついている方から)背負います。

装着の手順


脇バンドを下へ引き、上下位置を調整します。

装着の手順


胸バンド、腰バンドを接続し、長さを調整します。

装着の手順


プレッシャデマンド弁のインジケータが赤色になっていることを確認します。

装着の手順


そく止弁のハンドルをゆっくり開き、全開にします。ハンドルが止まったら半回転戻します。

装着の手順


面体のしめひもをすべてゆるめ、つりひもを首にかけます。

装着の手順


面体のしめひもを左右に広げ、あごの方からかぶります。

装着の手順


左右のしめひもを下から順番に左右同時に後ろへ引いて締めます。

装着の手順


深く呼吸をすると「パチッ」と音がして空気が供給され、面体内が自動的に陽圧になります。面体 の頬の部分に指を入れ、空気が漏れることで陽圧なっていることを確認します。


 

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