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【序 章】騒音障害を防ぐために

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騒音1

私達の日常生活は様々な音であふれています。人の心を癒すような楽器の音色もありますし、テレビやPCなどのスピーカーから流れる音、時には車両の排気音や飛行場の近くでは飛行機の爆音を耳にすることもあるかもしれません。これらは四六時中耳にしているわけではなく、日々の生活の中で時々、とか、騒音2音楽やテレビなら気の向いた時に聴くといったことがほとんどではないでしょうか。



騒音3一方、仕事で発生する音は意に反して聴かされることが多々あります。中には聞くに堪えないような種類や大きさの音を我慢しているうちに、いつの間にか耳が遠く(難聴に)なってしまったという人も数多くいます。そして残念なことに、長い年月をかけて衰えた聴力はほぼ回復することが無いのです。


騒音4さて、こういった職業性の聴覚障害を防ぐため、わが国では一定の基準を定めて保護具の着用など有効な措置を講ずる他、対象となる作業場での業務に労働者を常時従事させようとするときはその労働者に対し「騒音の人体に及ぼす影響」、「聴覚保護具の使用方法」などについての労働衛生教育を行うよう事業者に求めています。


また、対象作業場における業務については、騒音5作業に従事する労働者の騒音ばく露を低減するための措置を行わせる管理者を定め、当該管理者に対し「騒音の人体に及ぼす影響」、「騒音レベルの把握と低減のための措置」、「聴覚保護具の使用その他の作業管理」及び「関係法令」についての労働衛生教育の実施が求められています。

なお、管理者に対する労働衛生教育の科目、範囲及び時間については、騒音障害防止教育カリキュラムとして示されています。


ばく露】 「曝露」。石綿、化学物質や放射線、騒音など人間にとってあまりよくないものに「さらされる」こと。

(⇔ 「暴露」は、悪事・秘密などをあばいて明るみに出すこと)


対象となる騒音作業等

等価騒音レベル 85 dB 以上となる可能性の高い作業場における業務を広く対象に含め、具体的にはガイドラインにより別表第1及び別表第2に掲げる作業場に区分して、それぞれ具体的な管理を求めている。

□別表第1については労働安全衛生規則第 588 条に掲げる屋内作業場。

□別表第2については、対象は「等価騒音レベル 85 dB 以上となる可能性の高いあらゆる作業場」であり、具体的に掲げた作業場は例示であることを明記しつつ、可能な範囲で、候補となる作業場及び対象とする工具等を示す。

□別表第2の中に例示する作業場は、騒音の発生メカニズム等に応じて類型化する。現行の 52 作業場を基本としつつ、建設業の作業場における手持動力工具その他の騒音を発する機械工具等を可能な限り明記するとともに現行ガイドラインで掲げられていないサービス産業における 音響・効果音なども視野に入れて追記する。


等価騒音レベル】 不規則かつ大幅に騒音レベルが変動している場合に、測定時間内の騒音レベルのエネルギーを時間平均したもの。


【dB】 デシベル。音について使われるときは、人が何とか聞こえる最小の音圧を「20マイクロパスカル(μPa)」と定め、これを基準としてどれくらい大きいかを表現するときに使う単位。dB SPL(Sound Pressure Level)。

※音だけでなく、一定基準に対する相対比を表す単位として電力、電流、電波など色々な分野で使われる。


【ガイドライン】 法令などに基づきより具体的な手段・方法などを示したもの。(本来「指針」と同じような意味だが、厚労省関係ではより専門技術的な内容に特化したものをガイドラインとして指針と区別している)


◆ 騒音障害防止教育カリキュラム

◆ 騒音障害防止教育カリキュラム

なお、事業者が実施する場合の講師については、騒音についての最新の知識、教育技法の知識及び経験を有する者としてください。

また、講師は中央労働災害防止協会等が行う「騒音障害防止教育講師養成研修」等を受講された方の中から指名することが望ましいとされています。


「騒音障害防止のためのガイドライン」の対象となる別表第1及び別表第2に掲げる作業場

【別表第1】

(1)鋲打ち機、はつり機、鋳物の型込機等圧縮空気により駆動される機械又は器具を取り扱う業務を行う屋内作業場

(2)ロール機、圧延機等による金属の圧延、伸線、ひずみ取り又は板曲げの業務(液体プレスによるひずみ取り及び板曲げ並びにダイスによる線引きの業務を除く。)を行う屋内作業場

(3)動力により駆動されるハンマーを用いる金属の鍜造又は成型の業務を行う屋内作業場

(4)タンブラーによる金属製品の研磨又は砂落としの業務を行う屋内作業場

(5)動力によりチェーン等を用いてドラム缶を洗浄する業務を行う屋内作業場

(6)ドラムバーカーにより、木材を削皮する業務を行う屋内作業場

(7)チッパーによりチップする業務を行う屋内作業場

(8)多筒抄紙機により紙をすく業務を行う屋内作業場


【別表第2】

等価騒音レベルが 85 dB 以上となる可能性が高い以下の作業場

(1)インパクトレンチ、ナットランナー、電動ドライバー等を用い、ボルト、ナット等の締め付け、取り外しの業務を行う作業場

(2)ショットブラストにより金属の研磨の業務を行う作業場

(3)携帯用研削盤、ベルトグラインダー、チッピングハンマー等を用いて金属の表面の研削又は研磨の業務を行う作業場

(4)動力プレス(油圧プレス及びプレスブレーキを除く。)により、鋼板の曲げ、絞り、せん断等の業務を行う作業場

(5)シャーにより、鋼板を連続的に切断する業務を行う作業場

(6)動力により鋼線を切断し、くぎ、ボルト等の連続的な製造の業務を行う作業場

(7)金属を溶融し、鋳鉄製品、合金製品等の成型の業務を行う作業場

(8)高圧酸素ガスにより、鋼材の溶断の業務を行う作業場

(9)鋼材、金属製品等のロール搬送等の業務を行う作業場

(10)乾燥したガラス原料を振動フィーダーで搬送する業務を行う作業場ダーで搬送する業務を行う作業場

(11)鋼管をスキッド上で検査する業務を行う作業場

(12)動力巻取機により、鋼板又は線材を巻き取る業務を行う作業場

(13)ハンマーを用いて金属の打撃又は成型の業務を行う作業場

(14)圧縮空気を用いて溶融金属を吹き付ける業務を行う作業場

(15)ガスバーナーにより金属表面のキズを取る業務を行う作業場

(16)丸のこ盤を用いて金属を切断する業務を行う作業場

(17)内燃機関の製造工場又は修理工場で、内燃機関の試運転の業務を行う作業場

(18)動力により駆動する回転砥石を用いて、のこ歯を目立てする業務を行う作業場

(19)衝撃式造形機を用いて砂型を造形する業務を行う作業場

(20)バイブレーター又はランマーにより締め固めの業務を行う作業場

(21)振動式型ばらし機を用いて砂型より鋳物を取り出す業務を行う作業場

(22)動力によりガスケットをはく離する業務を行う作業場

(23)瓶、ブリキ缶等の製造、充てん、冷却、ラベル表示、洗浄等の業務を行う作業場

(24)射出成型機を用いてプラスチックの押し出し又は切断の業務を行う作業場

(25)プラスチック原料等を動力により混合する業務を行う作業場

(26)みそ製造工程において動力機械により大豆の選別の業務を行う作業場

(27)ロール機を用いてゴムを練る業務を行う作業場

(28)ゴムホースを製造する工程において、ホース内の内糸を編上機により編み上げる業務を行う作業場

(29)織機を用いてガラス繊維等原糸を織布する業務を行う作業場

(30)ダブルツインスター等高速回転の機械を用いて、ねん糸又は加工糸の製造の業務を行う作業場

(31)カップ成型機により、紙カップを成型する業務を行う作業場

(32)モノタイプ、キャスター等を用いて、活字の鋳造の業務を行う作業場

(33)コルゲータマシンによりダンボール製造の業務を行う作業場

(34)動力により、原紙、ダンボール紙等の連続的な折り曲げ又は切断の業務を行う作業場

(35)高速輪転機により印刷の業務を行う作業場

(36)高圧水により鋼管の検査の業務を行う作業場

(37)高圧リムーバを用いてIC パッケージのバリ取りの業務を行う作業場

(38)圧縮空気を吹き付けることにより、物の選別、取り出し、はく離、乾燥等の業務を行う作業場

(39)乾燥設備を使用する業務を行う作業場

(40)電気炉、ボイラー又はエアコンプレッサーの運転業務を行う作業場

(41)ディーゼルエンジンにより発電の業務を行う作業場

(42)多数の機械を集中して使用することにより製造、加工又は搬送の業務を行う作業場

(43)岩石又は鉱物を動力により破砕し、又は粉砕する業務を行う作業場

(44)振動式スクリーンを用いて、土石をふるい分ける業務を行う作業場

(45)裁断機により石材を裁断する業務を行う作業場

(46)車両系建設機械を用いて掘削又は積込みの業務を行う坑内の作業場

(47)バイブレーター、さく岩機、ブレーカ等手持動力工具を取り扱う業務を行う作業場

(48)コンクリートカッタを用いて道路舗装のアスファルト等を切断する業務を行う作業場

(49)チェーンソー又は刈払機を用いて立木の伐採、草木の刈払い等の業務を行う作業場

(50)丸のこ盤、帯のこ盤等木材加工用機械を用いて木材を切断する業務を行う作業場

(51)水圧バーカー又はヘッドバーカーにより、木材を削皮する業務を行う作業場

(52)空港の駐機場所において、航空機への指示誘導、給油、荷物の積込み等の業務を行う作業場


「なお、別表第1及び別表第2に掲げる作業場以外の作業場であっても、騒音レベルが高いと思われる業務を行う場合には、本ガイドラインに基づく騒音障害防止対策と同様の対策を講ずることが望ましい。」とされており、製造工場などのほか次のような作業にも注意しましょう。


建設工事現場

・道路舗装アスファルトの切断(コンクリートカッタなど)

・手持ち動力工具の作業(コンクリートブレーカなど)

・ボルト、ナットの締め付け(インパクトレンチなど)


トンネル、砕石、石材加工の現場

・手持ち動力工具の作業(さく岩機など)

・土石のふるい分け(振動式スクリーン)

・石材の裁断(裁断機)


林業・木工作業現場

・木材の削皮(ヘッドバーカーなど)

・木材の切断(丸のこ盤、帯のこ盤など)

 

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