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1.石綿の性状②

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1-2 石綿の性状・特性

石綿は、燃えず高温にも耐え(耐火・耐熱性)、通常の状態ではほとんど変化することなく(耐候性)、繊維なので織物にすることもでき、色々なものと均一に混ざりやすく(親和性)、鉱物ですので電気を通しにくく(絶縁性)、また経済性に優れているという特徴があります。

①繊維構造

石綿は、非常に細かい繊維に分かれても、なお電子顕微鏡で見ると多数の微細繊維の集合体となっています。最も細いクリソタイルでは、この微細繊維を構成する単繊維は、太さが約0.02~0.03μmでストローのような中空管状になっており、その断面は主に円形をなしています。このように繊維が細いため、逆にその表面積は非常に大きく、20~30m²/gの値を示します。

②耐熱性

耐熱性は石綿の工業的利用価値を高めている重要な性質の1つです。クリソタイルにおいては、約500℃までは安定であり、それ以上の高温になると結晶水を放出しはじめ、800℃付近でほぼ完了し、13~16%の強熱減量を示します。また、角閃石綿は一般にクリソタイルより高温で安定的です。なお、繊維は結晶水の放出によってもろくなり、石綿としての特質を失います。

③引っ張り強さ、可とう性

石綿の引っ張り強さが大きいことも、石綿の工業的利用価値を高めた重要な性質の一つです。石綿の可とう性(微弾性、柔軟性)は、主として繊維の細かさと結晶水の多少によって左右されます。石綿繊維中で最も細く、しかも結晶水の多いクリソタイルが最も優れた可とう性を示します。

④耐薬品性

クリソタイルは、一般に耐酸性はよくないが、耐アルカリ性には優れています。クリソタイルは、25%の苛性ソーダ(水酸化ナトリウムNaOH→基礎的な化学品、劇物指定)水溶液中100~105℃で5時間煮沸しても減量はわずか2%であり、耐薬品性の高さを示しています。

また、クロシドライトは酸にもアルカリにも強く、アモサイトもクロシドライトより劣るがクリソタイルより耐酸性が優れています。

⑤熱絶縁性

石綿は一般的に熱絶縁性に優れています。熱絶縁性は耐熱性と相まって保温材料として使用される場合の重要な性質です。(構成材料と組成状態によって左右されます)

⑥吸湿性・吸水性

吸湿・吸水性は、保温材として使用する場合に考慮しなければならない性質です。石綿は有機繊維に比べ吸湿・吸水性は小さく、石綿の中で最も大きい吸湿率を示すクリソタイルでも、吸湿性は有機繊維の数分の一程度です。

⑦安定性及び環境蓄積性

通常の環境条件下では半永久的に分解・変質せず、また、地表に沈降したものも再発じんすることがあるため、その存在期間は極めて長いことが指摘されています。

⑧その他

他にも防音性、細菌や湿気に強い耐腐食性、他の物質との密着性に優れている親和性、安価な経済性など、工業製品として非常に優れた特性を備えています。

 

表1-2(石綿の物性)

表1-2(石綿の物性)

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